科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開発プログラム 国立研究開発法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター
【応募期間】
2025年4月9日~2025年6月4日
【助成対象・内容】
プログラム目標
本プログラムは、科学技術が人・社会と調和しながら持続的に新たな価値を創出する社会の実現 を目指し、倫理的・法制度的・社会的課題を発見・予見しながら、責任ある研究・イノベーション を進めるための実践的協業モデルの開発を推進します。
研究開発対象
本プログラムは、責任ある研究・イノベーションの営みの普及・定着に資する、実践的協業モデ ルの創出に向けたELSI/RRIの研究開発を対象とします。具体的には、科学技術の進展の先にある べき社会像や、人・社会にもたらす新たな価値や変化の「探索と予見」、それに伴って生じるリスク やベネフィット、インパクトの「分析と評価」、人・社会・倫理の観点に立った研究開発の「設計と ガバナンス」、そして、責任ある研究・イノベーションの推進に資する「科学技術コミュニケーショ ンの高度化」に取り組む研究開発を推進します。 本プログラムでは、科学技術と人・社会との間に生起する日本社会ならではの諸課題をも対象と しつつ、国際的な展開・発信を念頭に置いて取り組むことを重視します。このとき、日本の社会や 文化、歴史の特性も意識した視点で考えることが大切です。日本社会の文脈や、日本の事例が持つ 一般性・特殊性について考察を深めることで、改めて科学技術と人・社会との最適な適応方策の発 見や、グローバルに通用する新しい価値創造につながることを期待します。従って、海外の研究や 事例の単なる紹介や理論の適用に終わらないことを求めます。 研究開発プロジェクトにおいては、具体的な科学技術のELSI対応への取り組みを基盤とした研 究構想であることを重視し、対象とする新興科学技術の研究開発の現状を踏まえ、すでにELSIが 顕在化し事後的だが解決のインパクトが大きなもの、研究開発の初期段階から予見的にELSI検討 に取り組むべきもの、すでに社会実装が進んでいる科学技術だがELSI検討が急務なものなど、具 体的な課題設定を求めます。 なお、本プログラムは、ELSI/RRI の営みの基盤強化や普及・定着に資する研究開発も重視して います。例えば、新興科学技術と社会との関わりに関する国際比較調査や動向分析などを通じて理 論構築に取り組む研究開発、ELSI/RRI の人材発掘やネットワーク構築に取り組む研究開発、多様 な新興科学技術に適用しうるELSI/RRIの方法論や評価指標の研究開発なども想定します。これら の研究は、必ずしも総合的なチーム体制や実践的な取り組みを必要とせず、実施期間や予算など比 較的小規模なプロジェクト構想も想定されます。
研究開発の実施体制、提案および研究開発にあたっての留意事項
・ 国内の大学、研究機関、公益法人、民間企業、NPO・NGO、行政機関など、組織としてJSTからの研究委託が可能な主体と連携して研究開発を実施してください。
・ 研究開発の実施にあたっては、人文・社会科学、自然科学、工学者、企業、NPO・NGO、メデ ィア、URA、コミュニケーター、法曹、行政、地域社会等の、問題意識や課題を共有する研究 開発の現場・ステークホルダー・コミュニティとの具体的な連携や協働の下に取り組むことを 原則とします。これまで、人文・社会科学を中心としてELSI/RRIに関する先駆的な研究開発 や取り組みがなされてきており、本プログラムは、それらの知見の活用や人材の活躍を基盤と しつつ、自然科学や産業における研究開発現場との連動・接続にチャレンジする提案を期待します。
・ ELSI/RRI の営みの基盤強化や普及・定着に資する研究開発にあたっては、必ずしも現場やス テークホルダー、コミュニティとの具体的な連携や協働の下に取り組むという原則を適用しません。連携や協働の有無にかかわらず、優れた提案を採択します。
・ 本プログラムは、個別テクノロジーの研究開発そのものの支援ではなく、その責任ある遂行を 支援するための研究を目的としています。従って、現在推進中の他の既存研究開発事業やプロ グラムとの連携・接続を含めた提案も歓迎します。
・ 研究対象、研究の手法や前提条件、技術開発におけるデザインなど、研究開発のあらゆる側面 においてジェンダーをはじめダイバーシティの視点に配慮することとします。
・ 研究開発を推進しながらも人・社会の変化やニーズを把握し、ビジネス創出への視点を持つことにより、スピーディに成果の還元と発信をすることを求めています。
・ 研究開発の企画・実施にあたっては、RRIの視点を重視します。すなわち、先見性(Anticipatory)省察性(Reflective)、熟議牲・包摂性(Deliberative, Inclusive)、応答可能性(Responsive) のアプローチを組み込むことが重要です。
・ 本プログラムは、研究開発の実践を通じて、ELSI/RRI に関する深い理解を持ち、それを研究 開発の場で生かすことができる人材の輩出を目指しています。具体的には、人文・社会科学や 特定の科学技術を専門としつつも、従来の専門性の枠組みに閉じることなく複数の科学技術分 野・テーマを横断してELSI/RRIの実践、あるいは関与ができる人材などです。そのため、20 ~40 代の若手人材のプロジェクト参画や雇用を歓迎します。プロジェクトで若手研究者を雇用する場合には、研究代表者にはその育成計画(必要と考えるスキル・能力、経験を積むため の工夫、本プログラムで獲得したスキル・能力を継続的に利活用できる場の想定など)を示す ことを求めます。
【助成金額】
600~1,200万円/年(直接経費)程度上限(※) ※研究開発内容に応じて、研究開発期間や予算規模を柔軟に構想・設計し、提案してください。
【応募方法】
様式(Word 版)はJSTサイトまたはe-Radサイトから提案書をダウンロードし、作成してく ださい。提案書様式は必ず「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研 究開発プログラム」の様式を使用してください。 提案書様式などの書類一式や最新情報は、以下の事業ウェブサイトに掲出しています。 https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2025.html
【問合せ】
応募先に迷われる場合など、領域・プログラム横断的なお問い合わせはこちら
boshu[at]jst.go.jp ※[at] をアットマークに変えてください。
国立研究開発法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター 企画運営室 募集担当