SDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム (社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築) 国立研究開発法人 科学技術振興機構 社会技術研究開発センター

【応募期間】

2024年4月10日~2024年6月5日

【助成対象・内容】

プログラム目標

RISTEX では、SDGs の達成に向けて、複合的で幅広いテーマの地域課題に対して既存技術シー ズを活用したソリューション創出やソリューションの多地域展開を目指した研究開発プログラム として、「SDGs の達成に向けた共創的研究開発プログラム(SOLVE for SDGs)」と題し、シナリ オ創出フェーズとソリューション創出フェーズの 2 種類の活動を、2019 年度より実施しています。 社会的孤立・孤独は SDGs の重要な観点の一つであることから、2021 年度に当該プログラムの下 に社会的孤立枠として、「社会的孤立・孤独の予防と多様な社会的ネットワークの構築」(以下、「本 プログラム」という)を設定し、研究開発を開始しました。

研究開発対象

社会的孤立・孤独の問題は様々な社会構造の変化により複合化・複雑化しているため、短期的・ 応急処置的に、個別の対象ごとに取り組むのではなく、人々の行動や心理、社会的背景を深く洞察 する根源的で、横断的・俯瞰的なアプローチを通して、より戦略的に有効な施策を開発・実装する ことが必要です。

特に、本プログラムでは、既存の社会的孤立・孤独に関する取り組みの知見を活用しながらも、社 会の構成員全体を対象にした社会的要因の改善により、そもそも社会的孤立・孤独を生まない社会 的仕組みを創るという、一次予防の観点を重視しています。

そこで、本プログラムでは、様々な社会構造の変化を踏まえ、人文・社会科学の知見も活用し、社 会的孤立・孤独の発生メカニズムの理解や、新しい社会像の描出まで掘り下げた研究開発が必要な ものを対象とします。そして、孤立・孤独に陥る主体を取り巻く環境や状況に関連する情報から孤 立・孤独状態を可視化して測定し、予防につなげます。

また、施策現場との乖離を生じることなく、実社会において真に有効な社会的孤立・孤独の予防 施策を創出することが極めて重要です。そのため、研究知と現場知を融合させ、施策現場での PoC (Proof of Concept:概念実証)まで実施することを求めます。

具体的には以下の「①社会的孤立・孤独メカニズム理解と、社会的孤立・孤独を生まない新たな社 会像の描出」、「②人や集団が社会的孤立・孤独に陥るリスクの可視化と評価手法(指標等)の開発」、 「③社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組み」の研究開発要素全てを含めて PoC まで一体的に推進します。

 

<研究開発要素>

  • 社会的孤立・孤独メカニズム理解と、社会的孤立・孤独を生まない新たな社会像の描出 人や集団の行動、心理、社会的背景の検証から、どのようなメカニズムによって社会的孤立・ 孤独が生じるのか、社会的孤立・孤独の状況にある人々の視点も考慮した社会の在り方を分析し ます。その結果を基に、予防すべき社会的孤立・孤独を明確にすると共に、社会的孤立・孤独を 生まない新たな社会像を描出します。その際、「社会的孤立・孤独の何が問題なのか」、「どのよう な状態を社会的孤立・孤独のない状態と呼ぶのか」、「社会的孤立・孤独をどのように一次予防できるのか」、「社会的孤立・孤独を生まない社会をどのように創るのか」、「社会的孤立・孤独の予 防により何を実現すべきか」、「どのような介入に慎重であるべきか」といった根本的な問いに向 き合いながら、研究開発を進める姿勢が必要です。特に新型コロナウイルス感染症の影響もあり、 仮想空間におけるつながりの重要性が急激に増しており、何をもってつながりとし、誰のどのよ うな社会的孤立・孤独の予防に役立てるかを明確にするための概念整理が重要となります。
  • 社会的孤立・孤独リスクの可視化と評価手法(指標等)の開発

①で描いた社会像の実現に向け、まず人や集団が社会的孤立・孤独に陥るリスクを早期にとら えるための可視化や評価手法(指標等)を研究開発します。具体的には、社会的孤立・孤独の予 備群である人や集団へのアウトリーチ手法、社会関係資本・健康・貧困・幸福度・QOL 等に係る 量的・客観的情報だけでなく、ドキュメント・映像・SNS など多様な媒体に表現された質的・主 観的情報を活用し、統合的に社会的孤立・孤独予備群を抽出するための手法、ヒューマンセンシ ングやオンラインアクセス履歴など ICT を活用した情報収集とデータベース化手法、プライバ シーに配慮した情報収集・加工手法等が含まれます。特にプライバシーに関しては、誰からどの ような情報を獲得し、どう利用するのか、さらにどのような介入につなげるのかを、施策現場で の支援者や当事者との相互理解に基づき判断する必要があります。また、データを取得するとい う行為や、人の行動変容を意図した介入に利用するということの倫理性を議論し、責任ある研究 開発を進めることが重要です。

  • 社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組み

  社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組み(予防施策)を開発し、②で開発した社会的孤立・ 孤独リスクの可視化・評価手法(指標等)も活用した評価・実証を行います。

社会的孤立・孤独を予防する社会的仕組みの開発に当たっては、政策・施策形成などにつなげ る「公共化」や、商品・サービス開発につなげる「事業化」、社会の認知を広げていく「共有化」 の観点が考えられます。

具体的には、社会的孤立・孤独予備群である人や集団のための新たな接続先や居場所・コミュ ニティの設計、社会的孤立・孤独予備群を低減するための教育プログラム、新たな社会像に対する理解を拡げる啓発活動のためのマスメディアとの連携方法や政策提言、といったものが想定されます。提案の際には、予定している事業やサービスと類似のものがないか事前にリサーチし、 ある場合には、それら既存の事業やサービスとの違いや、活用や連携の可能性について検討する ことが望まれます。

研究知と現場知を融合させ、本プログラムの趣旨に沿った一次予防の施策を創出するには、研 究においては、先行研究との違いを明確にして、これまでにない新たな仮説をたて、その PoC(Proof of Concept:概念実証)の場として実践活動を展開し、新たな仕組みにつなげる必要が あります。また逆に、従来の社会福祉、公衆衛生などの様々な現場で行われている取り組みで解 決できていない問題点を抽出し、新たなリサーチ・クエスチョンをたて、実践・展開においても 新規性のある研究開発としていくことが必要です。

【助成金額】

1,900 万円/年 程度上限

【応募方法】

応募要件

応募時に研究倫理教育に関するプログラムを修了していることが必須です!!

修了していることが確認できない場合は、応募要件不備とみなしますのでご注意ください。応募 時は研究代表者のみで構いません。

 

プロジェクトの研究代表者となる方に自ら提案していただきます。応募の要件は以下のとおりで す。応募要件に関して、以下のことを予めご承知おきください。

※ 採択までに応募要件を満たさないことが判明した場合、原則として、研究提案書の不受理、な いし不採択とします。

※ 応募要件は、採択された場合、当該プロジェクトの全実施期間中、維持される必要があります。 実施期間の途上で要件が満たされなくなった場合、原則として当該プロジェクトの全体ないし一 部を中止(早期終了)します。

 

重複応募について

(1) 1 人の方が研究代表者として応募できる提案は、1 件のみです。

(2) 本プログラムは、「科学技術の倫理的・法制度的・社会的課題(ELSI)への包括的実践研究開 発プログラム」、「SDGs の達成に向けた共創的研究開発プログラム(シナリオ創出フェーズ・ソ リューション創出フェーズ)」及び「SDGs の達成に向けた共創的研究開発プログラム(情報社会 における社会的側面からのトラスト形成)」の 2024 年度公募に重複して応募することはできません。

(3) 現在、社会技術研究開発事業の研究代表者となっている方は応募できません(当該研究開発の 実施期間が 2024 年度内に終了する場合を除く)。

 

応募方法

応募は、府省共通研究開発管理システム(e-Rad)より行っていただきます。 紙媒体(郵送、宅配便、持ち込みなど)及び電子メールによる応募受け付けはできませんの で、ご留意ください。

 

【問合せ】

お問い合わせは、電子メールでお願いします。

また、以下 RISTEX 提案募集ウェブサイトに最新の情報を掲載しますので、 あわせて参照してください。

https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2024.html

国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)

社会技術研究開発センター(RISTEX)企画運営室 募集担当

〒102-8666 東京都千代田区四番町 5-3 サイエンスプラザ

■本プログラムへの応募に関するお問い合わせ:boshu-koritsu@jst.go.jp

■社会技術研究開発事業への応募全般に関するお問い合わせ:boshu@jst.go.jp

【e-Rad の操作方法に関するお問い合わせ先】

e-Rad ヘルプデスク 0570-057-060(ナビダイヤル)

9:00~18:00 ※土曜日、日曜日、祝日、年末年始を除く

https://www.jst.go.jp/ristex/proposal/proposal_2024.html

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